学生ガーデン設計コンペ結果公表

淡路花博20周年記念事業協賛

学生ガーデン設計コンペ

結果発表

 

このコンペは、淡路花博開催20周年を記念し実施するもので、最優秀作品は、2020年9月から開催される「淡路花博20周年記念花みどりフェア」で実際のガーデンとして整備公開されることを前提とした提案を行っていただきました。
7作品の応募があり、5月17日に審査会を開催した結果を発表します。

【審査結果】
・最優秀賞 該当なし
・優秀賞  該当なし
・佳  作    4点

板倉  知也  信州大学大学院                             共生の表象
上田 和子   兵庫県立大学大学院/淡路景観園芸学校 未来に続く共生への道 ~秋の七草道しるべ~
橋本 冠斗   東京造形大学                              源地を知り未来を創る
畠田 恵    京都大学大学院                             秋をいろどる島

(五十音順)

【講評】

現地はかつて土取場であったという場所の歴史に着眼した作品、施工後の維持管理プログラムを組み込んだ作品など、着眼点や面白いアイディアが随所に見られ、実現可能性のあるデザインがいくつもあった。

しかし、今回のコンペの特徴は、デザインがリアルな作品として公共空間である都市公園に整備公開されることにある。図上のデザインをリアルな作品として具現化するには、限られた予算のなかで、個々のパートが技術的に施工可能なのか、強風、大雨等の気象条件や不特定多数の人が訪れる公共空間で、安全性が確保できているか、植物の開花条件や市場性などを様々な角度から十分に検証する必要があり、難易度の高い計画が要求されていたことも事実である。またコロナウィルス禍という未曾有の状況下において、応募された学生諸氏にとって、コミュニケーション、調査等に大きな制約がかかり、これらの検証が困難を極めたことは想像に難くない。審査委員会では、デザイン、安全性、予算内での施工性、さらに、国営公園の景観に溶け込み、来場者に感動を与えられるかなど様々な視点で審査を実施した。熟考、審議の結果、大変残念ではあるが、上記条件を満たし整備公開すべき作品は見当たらず、最優秀賞及び優秀賞を選定しないことと決した。

この未曾有の状況下にあって、果敢にチャレンジした学生諸氏の勇気と努力に深く敬意を表したい。今回のコンペの結果を踏まえ、デザインを具現化するための知識の習得、研鑽を積まれ、今後の躍進、実社会で活躍されるよう祈念する。

 

【入賞作品の紹介】

入賞作品はこちら

【受賞作品の講評】

共生の表象:板倉知也 信州大学大学院

淡路島の象徴的な資源である「ため池」に着目し、レインガーデンとして変換した提案である。ガーデン内に構築される小さな窪地は、地下水涵養の場となり、生態系ネットワークを構築し、防災・減災機能や環境学習効果が期待できる新しいガーデンとなる点が評価された。

 

未来に続く共生への道 ~秋の七草 道しるべ~    :上田和子 兵庫県立大学大学院/淡路景観園芸学校

植物の種類、配植を良く考えた周囲の景観と一体になるガーデンである。秋の七草を取り入れ、ガーデン探訪の道しるべとすることや、日本の自生種を積極的に取り入れた視点も評価できる。

 

源地を知り未来を創る:橋本冠斗 東京造形大学

淡路瓦や石積を取り入れ、淡路島の地域性をテーマに絡めた表現をしている。また、全国の県花の種子を埋め込んだプレートを展示するアイディアが斬新で、来園者の興味を引くガーデンとなることが期待できる。

 

秋をいろどる島 :畠田 恵 京都大学大学院

シンプルなデザインながら、計画地にうまく溶け込むような配慮がなされ、植物空間を美しく表現している。